突然ですが「Workaway(ワーカウェイ)」をご存知ですか?
「Workaway」とはWebサイト(アプリ)の名称です。”宿泊費の代わりにボランティアをする人” と ”仕事の代わりに宿泊場所を提供する人” をマッチングするサイトです。
「WWOOF(ウーフ)」などと同じように食住との交換でボランティアワークをします。「WWOOF」は無農薬などのアグリカルチャーに関する滞在先がメインですが、「Workaway」は宿泊施設や個人宅、犬や猫の保護施設、非英語圏の子供たちに英語を教える施設など様々な滞在先が登録されています。
この「Workaway」を利用することにより、普通に旅をしてホテルで宿泊するのとは違った体験をすることができます。
「Workaway」の費用
「Workaway」は1年間でシングルプランは$49、ペアプランは2人で$59(アメリカドル)の登録費用が必要です。※2024年8月現在
Webサイトで登録し、クレジットカードで支払いができます。
基本的には滞在先を見つけるのがメインの「Workaway」ですが、一緒に旅する人を探したり、言語のエクスチェンジ相手を探したりすることもできます。
無料のものと違い、お金の支払いが生じているので、信頼感があると思います。
また、登録する前にどんな滞在先があるのかを見ることができるので、登録してから目的の場所がなくて残念な思いをした…ということも防げます。
体験その1 フィリピンの田舎町体験
私の初めての「Workaway」先は、フィリピンの首都マニラがあるルソン島の南に位置するDonsol(ドンソール)という田舎町。マニラから飛行機で約1時間半+バンで1時間ちょっと。
お仕事内容は?
記載されていた仕事内容は、宿泊施設を始めるための準備やらクリーニングやらの手伝いで1日2時間半くらい。宿泊費が無料になるというものでした。
メッセージを送り、「Welcome!」の返信が来た時はとても嬉しかったです。
メッセージのやりとりで食事はついていないから、一緒に食べる日は200ペソ(約¥540)で、お互い用事がある時はそれぞれ食べるということで合意しました。
ドンソールへは飛行機の乗り遅れをやらかしてしまい、1日遅れて到着しました。
到着してオーナーと話をしていたところ、「頑張んなくていいから、ゆっくり過ごして~!やってほしいことあったら、お願いするね!」と、とてもゆるい感じでした。
約2週間の滞在中、「手伝って!」と言われたのは離れの部屋の大掃除をした1日だけ。あとは、それぞれ気づいたことをやるという感じです。放し飼いの子犬がそこらじゅうでトイレしちゃうので、その片付けは常にやっていました。
その他は、「お友達のレストランに夜手伝いに行きたかったら行っておいで~」と。時間もあったし、せっかくエクスチェンジにきているので、レストランには最後の1週間毎日お手伝いに行きました。すると、夕飯はレストランのお友達が毎日作ってくれました!
食費は結局1日200ペソという話はなくなり、一緒に市場に行き600ペソずつ出して割り勘というスタイルに落ちつきました。滞在中、2回買い物にいったので、食費として支払ったのは1200ペソでした。
滞在中、お昼ご飯を一緒に食べることが多かったですが、作ってくれたり、買ってきてくれたり、たまに私が味噌汁を作ったりしていました。(オーナーは味噌汁が大好きだったのです!)
そして、冷蔵庫に入ってるものやキッチンにあるものはどれも自由に食べていいというスタイルでした。
生活スタイルは?
オーナーはお友達もたくさん。よくお友達が家に遊びにきます。そして、初対面の人が来る度に紹介してくれます!名前を覚えきれなかった^^;
ちょうど私が訪れた時には、WWFのボランティアをしている人が同じ部屋に滞在していました。そして、英語があまり話せない私をとにかくみんな気にかけてくれていました。
どこかへ行く時はいつも誘ってくれて、ビーチやカフェに一緒にいくこともしばしば。お友達の家に飲みに行く時も声をかけてくれたり、バイクに3人乗りでドライブしたり。1時間半離れた街へのお泊まりナイトにもお誘いいただき行ってきました!
ドンソールは野生のジンベエザメと泳げるツアーが人気の場所です。私もギリギリシーズン中だったので参加してきました。
一人旅ではなかなかできない体験がたくさんできた貴重な時間です!
何も予定がない日は、庭にある東屋でのんびりタイム。ハンモックが最高に気持ちよく、ペットの犬や猫とよくお昼寝をしていました。ちょうどマンゴーの季節で、庭の大きなマンゴーの木から落ちているマンゴー食べ放題の贅沢三昧も味わいました。
滞在先はWi-Fiがなかったので、10GBのe-simを準備していたのですが、滞在途中でなくなってしまい、後半はすっかりデジタルデトックスの時間でした。
ダウンロード済みの映画を見て、本を読み(何度も読み返し)、犬や猫と戯れる毎日を過ごしました。
ちなみに、このお世話になったおうちはシャワーがなくバケツに水を溜めて桶で体を流すスタイル。庭の東屋は椰子の葉と竹や木でできています。まさに、THE フィリピンローカル を体験できました。
町の雰囲気は?
もちろん、町中にマクドナルドなどのチェーン店はありません。全てローカルフード。スーパーは1件。基本的な買い物は市場です。小さい町だけど、買い物や食べ物に困るような田舎ではありません。
エアコンが完備されている場所はあまりみかけませんでした。日中は日陰でゆっくりしている人が多かったです。そして、朝早い時間や夕方から活動する人が多いようです。
移動は、トライシクルがあたりまえ。ぼったくりもありません。バイクに3人乗りまではあたりまえ。子供を入れて4人や5人乗りの強者も!
街を歩けばオーナーたちは知っている人だらけで、よく挨拶していました。
海沿いにある漁師さんの家が集まっているエリアは、椰子の葉に竹の壁のお家が立ち並び、入江には漁師さんの船が並び、小さい田舎町の風景と漁師町の風景が見れる場所でした。
《Geri’s Sanctuary》
《Lolo King’s Pizza》
体験その2 マレーシアの田舎町体験
2つ目の滞在先は、マレーシアのコタキナバルから乗合タクシーかミニバンで1時間ちょっとの田舎町、Kota Belud(コタ ブルッ)。滞在先は、タウンからさらにタクシーで15分ほどのところ。
滞在先からは、遠くにキナバル山が見える景色のいい場所です。
お仕事内容は?
こちらも宿泊施設。クリーニングやガーデニング、ペインティングなど、1日MAX5時間の労働と書いてありました。
実際に来てみると…
「ゴミ落ちてたら掃いて、草あったら草むしりして、テーブル汚れてたら拭いて~、共用のトイレはルーム4にゲストが入らなければ、基本的にはあなたしか使わないから、まぁ綺麗にしといてくれたらいいよ。スローリーでいいからね!頑張りすぎないでね!自分のペースで気づいたことやってくれたらいいから~」とこちらもゆるい様子。
「あとは、手伝ってほしいことあったらお願いするね~。前のボランティアが2週間前までだったから、キッチンが少し埃っぽくなってるかも。今日の仕事はそれだね!自分で使う前に軽くお掃除してね~」といった感じで初日がスタートしました。
実際、何をしてもしなくても、特に何も言われません笑
駐車スペースを綺麗に掃いておくくらいです。そして、ゲストがチェックアウトしたら、お部屋のお掃除をします。
夜中に土砂降りだった日の翌日は草がよく抜けて楽しくて、ついつい1時間以上草むしりをしていました。
パーティーが入っている日が1度あり、さすがにその日は椅子50脚を埃っぽいから拭いて!と頼まれましたが、その時も「ゆっくりでいいからね~」と優しいです!
結局、1日2時間も働いていないのでは?と思ってしまいます。
生活スタイルは?
こちらでは、食事は自分で作ります。とはいえ、食材は準備してくれるので、野菜や鶏肉など冷蔵庫に準備してくれたものを使って、自分のご飯を作ります。
調味料など何かしらあるのですが、いまいちなんだかわからず、結局いつも塩胡椒での味付けになってしまいますが、スープや炒め物を作って美味しくいただいています。
寝泊まりする部屋として準備してもらった部屋はバンブーハウス。まさに、竹のお部屋です。隙間だらけなので、もちろん虫も蚊も入ってきます。なので、ベッドは蚊帳に包まれています。そして、夜中や明け方に音が聞こえてふと見ると、とある訪問者が・・・屋根と壁の間をリスが歩いているんです。
夜は外の気温とあまり変わらないので、扇風機をかけなくても涼しい快適なお部屋です。
バンブーハウスって雨の日は中に雨が入ってこないのかな?と疑問がありましたが、解決しました。土砂降りの夜の激しい雨風でもバンブーハウスの中はまったく濡れていませんでした!驚きです!
まさに、東南アジアスタイルの暮らしを体験しています!
滞在から数日後にご近所さん?の誕生日パーティーがあり、その時はパーティーにまぜてもらいローカルフードを、たらふくいただきました!誕生日パーティーには大人から子供まで50人以上の人が集まり、カラオケあり、ケーキ入刀あり、プレゼント抽選会ありで町をあげてのお祝いに心がほんわかしました。
車で15分ほど(歩いて3時間)のところでやっているリバークルーズに行きたくて、オーナーに話した時には、「今日オーストラリアからのゲストがきてきっと行くから混ざったらいいよ~」と。そして、本当にゲストにまぜてもらい行ってきました!夜のリバークルーズで蛍の光がとても綺麗でした。蛍は船にもたくさん乗ってきてくれて、まるでアバターの世界のようでした!
日中のリバークルーズでは天狗ザルが見れるとのことで、どうしても行きたい!とオーナーに相談したところ、1人参加は受け付けていないということでした。2人分の料金払うから!と交渉してもらい2人分のボート料金で送迎は無料でしてもらえることになりました。送迎の時は車がないから行けてないだろうと、遠回りして景色のいい場所にも連れて行ってくれました!嬉しいサプライズに感謝です♪
町の雰囲気は?
滞在先から徒歩圏内には小さな商店が2~3件、ご飯を食べれるところが2件程度です。
のどかな地域で1件1件の敷地が広く、大きめの家が多いと感じます。
散歩をしていると、その辺で遊んでいる子供達がハニカミ笑顔で手を振ってくれます。おじさんやお兄さんも笑顔でハローと言ってくれます。散歩の途中で、大きなトカゲも見つけました。道路脇の川沿いにひっそりといましたが、急に目の前に現れたらびっくりする大きさでした!シロハラクイナも時々姿を見せてくれます。そして、道路では牛(家畜)が我が物顔でフンをして、鶏の親子が列を作って歩いてる、そんな自然豊かなところです。
オーナーもご近所さんもマンゴーをたくさんくれて、ここでもマンゴー三昧です!毎日のおやつがマンゴーで幸せ♡
マレーシアにきてから思ったことですが、車のタクシーばかりでトライシクルやバイクタクシーがいません。国によって、違うものですね。
《Taun Gusi Village Homestay》
「Workaway」の注意点
「Workaway」を利用するにあたり、いくつか注意が必要なことがあります。
①滞在先の選び方
「Workaway」のサイトにも記載されていますが、滞在先全てを運営元が調べているわけではありません。なので、滞在先を選ぶのは自己責任です。
他の「Wokaway」の口コミや滞在先の情報をしっかり読み、事前のやり取りで不明点等をなくして満足のできる滞在先に出会えるようにしましょう。
②ビザの種類
観光ビザではボランティアをしてはいけない国、ボランティアのかわりに対価を受け取ってはいけない国など、簡単に「Workaway」を利用できない国があります。
今回バリにも行きたいと思い、バリでの「Workaway」を探そうと思っていたところ、上部にフィリピンやマレーシアではでていなかった赤い文字が!「ビザのステータスに気をつけてください」みたいなことが書いてあります。
ニュージーランドやオーストラリアでは働けるビザがないとエクスチェンジができないということは知っていたので、インドネシアもなのかと思って調べたところ、やはりそうでした。
インドネシアはVOA(アライバルビザ)では対価を受け取ることが禁止されています。「Workaway」も滞在先や食事という対価を受け取ることになるので、VOAではやらない方がいいと思い、インドネシアの方からお誘いのメッセージをいただきましたがお断りしました。
③Wi-Fi完備でもモバイルデータ(SIM)は必要
2件目の滞在先はWi-Fi完備と聞いていたので、楽天モバイルの2GBの残りで間に合うだろうとマレーシアのSIMは準備しませんでした。
ですが、なんと到着から3日後、それまでサクサク動いていたWi-Fiが突然ダウンしました。たまに落ちるけど、数時間~1日で治るからと最初に聞いていたのでまぁ仕方ないかと思っていました。が、それから3日たっても治りません。さすがにオーナーが業者に連絡をとり、修理にきてくれる日が決まりました。業者も忙しく、来れるのは4日後とのこと。ですが、4日後に訪れずその後オーナーが電話したところ、ケーブルプロブレムだから待ってて。という対応で、結局滞在中Wi-Fiは復活しませんでした。
さらに、滞在先では4Gすら使えず、どうしてもメッセージなどが必要な場合は4Gがつながる場所まで散歩してメッセージを送るという日々を過ごしました。
しかも、このタイミングでなぜか楽天モバイルからログアウトされてしまい、いつものIDでログインしようとしてもできなくなっていました。なので、楽天モバイルのデータローミングの残量も見れない状態。とにかく、データローミングを節約して乗り切りました!
急に連絡がとれなくなってしまい、友人や仕事仲間を心配させてしまいました。
そんなことにならないように、Wi-Fiが完備されていても、とくに田舎の方に行く場合はモバイルデータも準備しておいた方が安心だと思います。それなりの町の中ならWi-Fi完備のカフェがあったりするかもしれませんが、周りに何もないところではそれも不可能です。
④車やバイクの免許
注意点というほどでもないですが、海外での車やバイクの運転に抵抗がない人はあったら便利です。「Workaway」先は街中というよりも田舎の方が多い印象がありました。
街から田舎方面へは、タクシーが走ってくれます。でも、田舎から田舎への移動やその田舎から街へ行く時には交通手段がないということもよくあります。
ドンソールでは、遠出をした時はオーナーやWWFに来ていたフランス人のボランティアの人がバイクの後ろに乗せてくれました。
コタブルッでは、ボートトリップに行く観光客の方の車に一緒に乗せて連れていってくれました。これは、本当にラッキーだったと思います。
車で15分の距離も歩けば3時間なんてことも。
車やバイクに抵抗がなければ、長期レンタルして「Workaway」先をめぐったり、ボランティアワークの合間に観光に行ったり、という方法もオススメです。
「Workaway」という選択
今回は一人旅ということもあり、何をするのもどこに行くのも私の自由です。
そこで、この「Workaway」を利用することで、行き先を決めるという選択をしました。「Workaway」に行き先を委ねたのです。
大雑把にこの国のここに行くという場所は決めましたが、自分で決める旅行では絶対行かない場所(知らない場所)を訪れるのも楽しいんじゃないかな?未知の世界を体験できるんじゃないかな?と思いました。そこで、目的地の他にもう一つの地域を訪れることにしました。
そして、「Workaway」でなんとなく気になった人、場所へメッセージを送り一番最初に返信をくれた人のところに行くことにしたのです。
そして、訪れた先がフィリピンのドンソールとマレーシアのコタブルッです。どちらも今回初めて知った場所です。日本から出発する1週間ほど前に決めて急な問い合わせだったにも関わらず受け入れてくれました。そして、それぞれの滞在先について調べる時間もほとんどなく、行き当たりばったりの旅でした。
ですが、どちらの滞在先もとてもゆったりと過ごすことができました。
そして、それぞれの町を楽しむことができました。
こうやって訪れた場所は何かのご縁があると思うので、そこで身についたものや感じたものは必ず今後の私の糧になるはず!?
とてもいい体験ができた「Workaway」と「Workaway」のおかげで出会えた全ての人に感謝です。
「Workaway」に参加、登録したい方は私も登録の際に参考にさせていただいたこちらの記事をごらんください。とても、わかりやすかったので、ありがたかったです!↓