沖縄県沖縄市安慶田の路地裏にひっそりと佇む、銭湯「中乃湯」。
とろりとした柔らかい湯が体を包み込み、身も心もホッと温まる、地元の人たちに愛される銭湯が、そこにありました。
ホッと温まる「中乃湯」を訪れた、感想をご紹介します。
沖縄県唯一の銭湯「中乃湯」
沖縄県には、ホテルやゴルフ場に付属している温泉や大浴場、サウナはたくさんありますが、地元の人に愛されながら残っている、いわゆる“銭湯”は、現在ひとつしか残っていません。
ちなみに、沖縄では銭湯のことを「ゆ〜ふるや〜」と呼ぶそうです。
昔は沖縄県内にもたくさんあった「ゆ〜ふるや〜」ですが、各家庭に浴室が作られるようになって、どんどん減っていたようです。

こちらの「中乃湯」は、創業1960年ごろ。なんと、65年ほどの歴史があるそう!
銭湯とはいえ、地下350メートルから汲み上げた鉱泉を沸かして利用している、天然温泉です。
沖縄で天然温泉に入れるなんて、嬉しすぎる〜❤︎
「中乃湯」はどんなところ?
中乃湯に行くと、外のベンチに銭湯の主人、シゲさんが座っています。シゲさんと一緒にスタッフのお姉さんもいらっしゃいました。ここで、料金370円をお支払いします。シーサーも壁の上でお出迎え。
もし、タオルや石鹸など忘れたら、ここで購入することもできるようです。
駐車場は、建物の表に2台、裏に2〜3台停めれるようになっています。詳しくは、中乃湯のインスタをご覧ください。
暖簾をくぐって、温泉時間の始まりです。


脱衣所へ
お風呂場は、建物向かって左側が男性、右側が女性用となっています。木の扉を開けてお風呂場へ入ったら、あらビックリ!


脱衣所と浴室の間に仕切りの扉というか壁?がないんです!温泉県生まれで、数々入った地元の温泉では見たことのない景色に、驚きがいっぱいです。
そして、この昭和レトロ感、心をくすぐります❤︎
体を洗いましょう
脱衣場で服を脱いだら、洗面用具を持って洗い場へ。まずは、体を洗います。
お湯と水、2つの蛇口を捻って、自分好みのお湯の温度を作り出しましょう。
ここで、常連さんの神業を見せていただきました!オケの2つ利用です!ここ「中乃湯」はシャワーはありません。昭和時代に自宅でも経験していた、カランから流れるお湯をオケに溜めて体を流すタイプです。なので、蛇口から流れてくるお湯を無駄にしないように、2つのオケを交互に使うのです!!!!!!
カランは高い位置についているの、髪が短い人などは屈んで洗い流すこともできそうでした。
カランから出るお湯も温泉水です。最初気づかず、体を流した後に、石鹸が残っているのかと思ったほど。それだけ、トロッとした素敵な温泉水。湯船にとっぷり浸かるのが楽しみ♪
余談ですが、女性用の浴室は向かって左側のカランに書いてある“湯”と“水”のタイルが逆転しています。“湯”を捻って、温かいのが出るのを待っていたら、スタッフの方が教えてくれました。「なんかね〜、反対にタイルついてるんですよ〜笑」って。なので、待たずに、反対の蛇口もひねってください!
体を洗ったら、早速お風呂へ。
温泉を楽しむ
何度も言いますが、「中乃湯」は温泉です。緑がかったトロリとしたお湯で、湯船に入ると、その柔らかなお湯が体を包んでくれます。ふわ〜っと体の力が抜けていきます。

小判形の湯船の中は周囲に段差があり全身浴はもちろん、半身浴もできます。湯船のフチに座って、足湯をすることもできますよ。
自分の好きな入り方で、ゆっくり温泉を満喫できます。
私は、最初はチャポンと全身浴。程よく体が温まってきたところで、のぼせる前に半身浴に切り替えます。ポカポカしてきたら、一旦お風呂から出て、体を冷まして。冷めたら、今度は半身浴。じっくり体の芯まで温めます。肩まで使って、そのあとは足湯。温泉を心ゆくまで堪能します。
お風呂上がり
つぎに利用する方のためにも、自分が使ったものはしっかり片付けましょう。オケと椅子は下の場所へ。
床をびちゃびちゃにしないように、珪藻土マットや足拭きマットも置いてくれているので、マナーを守って利用しましょう。


体重チェックも忘れずに笑
ドライヤーはありません。コンセントもありません。大きな扇風機があるので、そこで涼みながら髪が乾くのを待ってみたり、しっかりタオルドライして、自然乾燥してみたり。
お風呂の後は、外の自販機でジュースやお茶を飲みながら、シゲさんやスタッフのお姉さんとゆんたくするのもいいですね!
中乃湯♨︎
沖縄県沖縄市安慶田1丁目5−2
入浴料:370円
営業時間:14:00〜21:00(最終入場20:00)
定休日:木・日
駐車場:表に2台、裏手に2〜3台
自分なりの温泉の入り方
ここ「中乃湯」にはシャワーもジェットバスもサウナもありません。こぢんまりした湯船が浴室の真ん中で存在感をアピールしています。
だからこそ、ゆっくりじっくり温泉と向き合うことができます。
脱衣所と仕切りがないからこそ、脱衣所のベンチでバスタオルを巻いてクールダウンしてもよし、足湯を楽しみながら常連さんとゆんたく(おしゃべり)するもよし。
温泉のトロトロお湯と、どこか懐かしい昭和レトロ感を体と心で感じながら、自分だけの温泉時間、「中乃湯」時間を楽しみたいものです♪